臍を嚙む とは?
「臍を嚙む」の意味
「臍を嚙む」とはどういう意味かご存じでしょうか?
読み:ほぞをかむ
「ほぞ」って何ほぞ?
じゃろって何じゃろ~?
なんだか聞いたことがあるフレーズですね。
「臍を嚙む」の意味
「臍を嚙む」とは
後悔する。すでにどうにもならなくなったことを悔やむ。
という意味で使われている言葉です。
もうどうすることもできず、手を出すこともできなくなってしまったときに、そのことで後悔したり、とても残念な気持ちでいっぱいになってしまっている状況を表す言葉です。
「臍を嚙む」の「噛む」は「噬む」と記されていることもありますが同じ意味です。
つまり、とても後悔しているってことですね。
なんとなく普通に「めっちゃ後悔している」って使うよりも、「臍を嚙む」の方が、深い悲しみのような感情を感じるんな。
確かにー!
「臍を嚙む」の由来
「臍を嚙む」の「臍」とは腹にあるへそのことです。
つまり「へそを噛む」ということです。
え、届かないよ!無理じゃない?
はい、普通の人はへそを噛もうとしても届くはずがありません。
自分のへそを噛もうとしても届かない、もどかしい、悔しい、という気持ちからそう言われるようになりました。
また「臍を嚙む」は、中国の歴史書「春秋左氏伝」の故事に由来しています。
【春秋左氏伝】(しゅんじゅうさしでん)
孔子の編纂と伝えられている歴史書『春秋』(単独の文献としては現存しない)の代表的な注釈書の1つで、紀元前700年頃から約250年間の魯国の歴史が書かれている。通称『左伝』。『春秋左氏』『左氏伝』ということもある。現存する他の注釈書『春秋公羊伝(公羊伝)』『春秋穀梁伝(穀梁伝)』とあわせて春秋三伝(略して三伝)と呼ばれている。
故事
中国の春秋時代、楚国の王である文王が鄧(とう)という国に立ち寄りました。
この時、鄧の王の祁候は
「郤国を亡ぼす者は必ず此の人なり。若し早く図らずんば後に君臍を噛まん」
(鄧国を亡ぼすのはこの人です。早く文王を殺さなければあなたは後悔するだろう)
と進言しましたが聞き入れられませんでした。
鄧国はその後、楚国によって滅ぼされてしまいました。
お約束な展開なんな。
やっぱり、という感じですね。
類語
それでは「臍を嚙む」の類語を見ていきましょう。
●「後悔先に立たず」(こうかいさきにたたず)
してしまったことは、あとになってくやんでも取り返しがつかない。
●「後の祭り」(あとのまつり)
祭りのあとの山車 (だし) のように、時機遅れで、むだなこと。手遅れ。
あれ?「後の祭り」ってなんか見覚えがあるようなないような…。
前に見ましたからね、覚えていて当然でしょう。
まとめ
「臍を嚙む」とは「後悔する。すでにどうにもならなくなったことを悔やむ。」という意味で使われている言葉である。
「臍」とは腹にあるへそのことであり、自分のへそを噛もうとしても届かない、悔しい、という気持ちからそう言われるようになった。
また、中国の歴史書「春秋左氏伝」の故事に由来している。
そういえば、「へそを噛む」じゃダメなの?
ダメですね。
なんでー?へそもほぞも同じ漢字なのに!
そういうものなんよ。ワガママ言っちゃいけんのよ。
そっか~、分かったよ。
え、それで引き下がるんですか?