おもむろに とは?
「おもむろに」の意味
「おもむろに」とはどういう意味かご存じでしょうか?
ムロツヨシおもしろいって意味?
略しておもむろか、なるほど!使えそうなんな。
いや、使えないでしょ。
最近の使われ方
最近、「おもむろに」という言葉は「いきなり」「突然に」「不意に」というような意味で使われていることがよくあります。
「上司に呼ばれて、彼女はおもむろに席を立った。」
という文章を見ると
「上司に呼ばれて、彼女急いで席を立った。」
という意味だと思う人も多いでしょう。
ですが、これは本来の意味とは違っているのです。
本来の意味
本来「おもむろに」とは
落ち着いて、ゆっくりと行動するさま。
という意味で使われていました。
挙動がゆったりとしていたり、焦ったり急いだりすることなく、ゆっくりと動き始める様子を表す言葉です。
ですので先ほどの例文の
「上司に呼ばれて、彼女はおもむろに席を立った。」
とは
「上司に呼ばれて、彼女はゆっくりと立ち上がった。」
というような意味が正しいと言えます。
急いで立ち上がる人と、ゆっくり立ち上がる人だと全く違う雰囲気なんな。
急いで立ち上がった意味だとバタバタしている女の人っぽいけど、ゆっくり立ち上がっている意味だと落ち着いた女の人って感じがするね~。
前後の文章でなんとなく分かることもありますが、これだけだと正確な意味を知らないと間違えてしまうのは仕方ないですね。
「おもむろに」の漢字
また、「おもむろに」は漢字ですと「徐に」と表します。
読み方が難しいことからひらがなで表すことが多いです。
「徐」という漢字は
おもむろ。ゆるやか。ゆっくりと。
という意味があり、「徐行」「徐々に」というときに使われるので馴染みがあると思います。
「徐」という漢字であることを知っていたら「ゆっくりと行動するさま」であることも容易に想像が付き、「突然に・不意に」という意味だとは思いにくいでしょう。
じゃあ漢字にしちゃえばいいのにね。
あーたむみたいな人が読めないから困りますからね。
読めても意味が分からなかったら一緒でしょ。
確かに!
誤用の定着率
平成26年度の「国語に関する世論調査」で、「おもむろに席を立った。」という例文を挙げて、「おもむろに」の意味を尋ねたところ、
本来の意味の「ゆっくりと」を選んだ人は44.5パーセント、
本来の意味ではない「不意に」を選んだ人は40.8パーセントという結果が出ています。
本来の意味である「ゆっくりと」選んだ人が多かったですが、年代別に見ますと、10代~40代の人は6割~7割の人が本来の意味ではない「不意に」を選んでいるようです。
60代や70代の人は逆で本来の意味を選んだ人が6割~7割いたそうですね。
へぇ、なんでだろう?おもしろいね!
今は誤用だって言われているけど、もう何十年もしたら正しい使い方になってそうなんな。
まとめ
本来「おもむろに」とは「落ち着いて、ゆっくりと行動するさま。」という意味で使われている言葉である。
しかし最近は「いきなり」「突然に」「不意に」というような意味で使われていることが多いが誤用である。
上司に呼ばれてゆっくり立ち上がるって、「嫌だな~行きたくないなぁ~」って感じなのかな?
上司に助けを求められていて「私の出番ですね」ってドヤ顔で立ち上がっている可能性もあるんな。
なーるほど!まるで、みーたむみたいだね!
何か言いましたか?