食指が動く とは?
「食指が動く」の意味
「食指が動く」とはどういう意味かご存じでしょうか?
読み:しょくしがうごく
食事って言った?もうごはんの時間?
言ってません。食指ですよ。それにごはんはさっき食べたばっかりじゃないですか。
うん、だからおかしいなぁって思ってね。
さっき食べたことは覚えてるんな、本当に良かったん。
「食指が動く」の意味
「食指が動く」とは
何かをしたい、手に入れたいという欲望が起こることのたとえ。また、野心を抱くこと。
という意味の言葉です。
「食指が動く」とは、食欲がおこることです。
それが転じて、なにかに興味を持って、物を欲しがったり、なにかをしたくなることをいいます。
食指ってどの指のことなんだろう?
人差し指のことらしいですよ。
じゃあ人差し指が動いたら食欲がわくってこと?意味わかんないね。
「食指が動く」の由来
「食指が動く」は中国の史書『春秋』の「春秋左氏伝(しゅんじゅうさしでん)」に由来しています。
【春秋】(しゅんじゅう)
古代中国東周時代の前半(=春秋時代)の歴史を記した、編年体の歴史書である。一方で、儒教においては単なる歴史書ではなく、孔子が制作に関与した思想書であるとされ、儒教経典(五経または六経)の一つ『春秋経』として重視される。
故事
中国の鄭(てい)という国の君主の一族、子公(しこう)が、君主の霊公(れいこう)のところに行こうとしていたら、自分の「食指(人差し指)」がぴくっと動くのを感じました。
こういうときには、何かおいしいものにありつけるのだと、同行していたものに言いました。
霊公の屋敷に入っていくと、ちょうど、献上されてきたスッポンの料理を始めるところでした。
人差し指に美味しいものがあるのか分かるなんてすごいね!
彼のジンクスだったようですね。
1、2回なら良いけど、何回も起こってたらなんか怖いんな。
そういえば、この故事には続きがあるそうですよ。
故事(続き)
子公のジンクスを聞いた霊公は、意地悪でスッポンのスープを食べさせないようにしました。
それに怒った子公は、スープの入ったお鍋に指を突っ込み、舐めてから出て行きました。
そのことに腹を立てた霊公は、子公を殺してしまおうと考えます。
その後、お家騒動が勃発し、結局は霊公が命を落とすことになったそうです。
そんなことで殺そうとする!?
食べ物の恨みだから仕方ないんよ。
座敷あらしはそうですよね。
誤用の定着率
平成23年度に「国語に関する世論調査」で、「何かを食べたくなる、転じてあることをしてみようという気になる」ことを言うときに、どちらを使うか尋ねたところ、
本来の言い方とされる「食指が動く」を使う人は38.1パーセント、
本来の言い方ではない「食指をそそられる」を使う人は31.4パーセントという結果が出ています。
残りの3割の人は「分からない」を選んだ人?
それは1割くらいですね。残りの2割の人は「どちらも使わない」を選んでいるようですよ。10代に多かったそうです。
そりゃそうだよね~、「食指が動く」とか使わないし。
まとめ
「食指が動く」とは「何かをしたい、手に入れたいという欲望が起こることのたとえ。また、野心を抱くこと。」という意味の故事成語である。
中国の史書『春秋』の「春秋左氏伝(しゅんじゅうさしでん)」に由来している。
「食指をそそられる」っていう間違いはどうして使われるようになったの?
「食欲がそそられる」と混合してしまったのかもしれませんね。
「食」って言葉をずっと聞いてたら小腹が空いてきたんよ!なんか食べたいん!
…太りますよ?