猫も杓子も
2021年9月6日

猫も杓子も とは?

By 座敷あらし

「猫も杓子も」の意味

「猫も杓子も」とはどういう意味かご存じでしょうか?

読み:ねこもしゃくしも

猫だー!

有名なことわざですね。

猫が入っていることわざってなんとなく可愛いんな。

「猫も杓子も」の意味

「猫も杓子も」とは

だれもかれも。なにもかも。

という意味で使われていることわざです。

プラスの意味でもマイナスの意味でも使うことのできる言葉です。

マイナスなニュアンスで使用するときは「なんでもかんでも」っていうような意味なんな。

「どいつもこいつも」でもよさそうですね。

ふーん、ところで、杓子ってなんだっけ?

【杓子】(しゃくし)
飯を盛ったり汁などをすくったりする道具。頭が丸く中くぼみの皿形で柄がついている。形・材質などから、木じゃくし・玉じゃくしなどという。一般に飯用のものは杓文字 (しゃもじ) という。

ごはんをつぐのはしゃもじで、汁物はおたまだよね?

もともとはどっちも杓子だったのに、変わっていったんやろうね。

ちなみに、ごはんを「つぐ」って言うのは中四国と九州で多いらしく、全国的には「よそう」って言う人が多いらしいですね。

そうなの?知らなかった!

「猫も杓子も」の由来

「猫も杓子も」の由来は諸説あり、正確なものは分かっていません。

ですので、よく言われている説を一つずつ見ていきましょう。

「一休咄(いっきゅうばなし)」説

まずひとつは、とんち話で知られている「一休さん」の説話集『一休咄』(いっきゅうばなし)によるものです。

その中に、「生まれは死ぬるなりけり、おしなべて釈迦も達磨も猫も杓子も」という一文があります。

これは、「釈迦も達磨も、猫も杓子も皆生まれて死んでいく」という意味です。

この説話から、「釈迦と達磨」が抜け落ち、「猫も杓子も」だけが残って伝わったとされています。

あの一休さんだね!アニメのキャラクターじゃなかったの?

ちゃんと実在してた人ですよ。

【一休宗純】(いっきゅうそうじゅん)
室町時代の臨済宗大徳寺派の僧、詩人。説話のモデルとしても知られる。

「禰宜も釈氏も(ねぎもしゃくしも)」説

禰宜(ねぎ)とは神主のことで、釈氏(しゃくし)とはお釈迦様のことを指します。

昔は神道と仏教が二代宗教であったことから、「神に仕える者も仏に仕えるものも」が「だれもかれも」という意味になったと言われています。

これは滝沢馬琴の『南総里見八犬伝』に出てきたそうです。

また、「禰子(ねこ)」とは神主の子孫を指すことから、「禰子も釈氏も」(ねこもしゃくしも)が使われたとも言われています。

禰宜(ねぎ)と禰子(ねこ)?禰豆子?

神官の長を神主(かんぬし)と言い、その神主の下の位が禰宜(ねぎ)、そして禰宜の子孫を禰子(ねこ)と言うそうですよ。

「女子も弱子も(めこもじゃくしも)」説

女子(めこ)というのは女性、弱子(じゃくし)というのは子どものことを指します。

つまり、「女も子どもも」という意味から、「だれもかれも」という意味になったと言われています。

この説は、落語の『横丁の隠居』に出てくる話が由来だそうです。

「女子(めこ)も弱子(じゃくし)も」を「猫も杓子も」と聞き間違えたのではないかと言われています。

あ~、確かに似てるからこれは聞き間違えるんな。

「猫と主婦」説

猫は、その言葉のまま猫を表します。

杓子は「しゃもじ」のことで、しゃもじは主婦が主に使うことから主婦のことを指します。

つまり、「猫も主婦も、家族総出で」ということから「だれもかれも」という意味になったと言われています。

つまり、「サザエさんもタマも」ってことだね。

まぁ、そうですね。

その他にもまだ説があるらしいけど、このあたりが有名な説らしいんな。

まとめ

「猫も杓子も」とは「だれもかれも。なにもかも。」という意味のことわざである。

由来は諸説あり、正確なものは分かっていないが、「一休咄(いっきゅうばなし)」説、「禰宜も釈氏も(ねぎもしゃくしも)」説、「女子も弱子も(めこもじゃくしも)」説、「猫と主婦」説の4つが有名な説として知られている。

猫は可愛いよね~。さっきも外歩いてたよ。

なんだと!?

見に行きたかったんですか?

ううん、最近よくフンされるから困ってるんよ。

あ、本当だ、されてるよ~。

またかー!!