天地無用 とは?
「天地無用」の意味
「天地無用」とはどういう意味かご存じでしょうか?
読み:てんちむよう
そんなタイトルのアニメがあったよね~。
うむ、知ってるけど見たことないんな。
たしか、岡山が舞台でしたよね。
知らなかった!岡山県民なのに!
「天地無用」の意味
「天地無用」とは
荷物の梱包の外側に記載して、荷物の上下を逆さまにすると破損する恐れがあるからしてはならないと警告することば。
という意味の言葉です。
「天地」とは
①天と地
②宇宙。世界。世の中。
③書物・荷物などの、上と下。
といという意味があります。
また、「無用」とは
①役に立たないこと。使い道のないこと。また、そのさま。無益。
②いらないこと。また、そのさま。不要。
③用事のないこと。
④してはいけないということ。禁止。
という意味があります。
今回は④の「してはいけないということ。禁止。」という意味になります。
ん?これだと、「上下」「してはいけない」って意味しかないけど、おかしくない?
本当だ!どういうこと?
「天地無用」の由来
「天地無用」は、運送業界で使われていた業界用語が由来だと言われています。
もともとは「天地(入れ替え)無用」「天地(逆にすること)無用」という言葉が使われていました。
ですが、長くなってしまうので「天地無用」と短縮して使うようになり、一般的にも広まっていきました。
そういうことか~。
宅配の方には短縮した「天地無用」だけで意味が通じますからね。
宅配の箱にシールが貼ってあるし、宅配業界じゃない一般の人にも言葉は伝わったけど、意味まではちゃんと通じなかったんだろうね。
宅配のプロじゃないんだから仕方ないよ~。
誤用の定着率
平成25年度に「国語に関する世論調査」で、「天地無用の荷物。」という例文を挙げ、「天地無用」の意味を尋ねたところ、
本来の意味の「上下を逆にしてはいけない」で使う人は55.5パーセント、
本来の意味ではない「上下を気にしないでよい」で使う人は29.2パーセント、
という結果が出ています。
本来の意味で使う人の方が多かったですが、十代の人たちは、本来の意味ではない「上下を気にしないでよい」で使う人の方が多かったようです。
意外とみんなちゃんと意味知ってるんだんね~びっくり!
そりゃ、あーたむとは違いますからね。
なぜ誤用されることが多いのか
なぜ「上下を気にしないでよい」という意味だと誤用されるのでしょうか。
それは「無用」の意味にあるのかもしれません。
「無用」には先ほど挙げたように、「役に立たないこと」「いらないこと」「用事のないこと」「してはいけないということ」という意味があります。
「心配ご無用」や「問答無用」というような有名な言葉があるので、「無用」は「いらないこと」「必要ないこと」という意味だと理解する人が多いと思います。
そのことから、「天地無用」は「上下が逆さまでも良い」という意味だと勘違いすることがあるのでしょう。
また、「無用」の意味が「してはならないこと」であると分かっていたとしても、天地と無用の間に「入れ替え」や「逆にすること」という言葉が省略されていることを知らなければ分かりにくい言葉であると言えます。
そういえば、ドラえもんの歌詞の中に「落書無用」ってあったんな。
そういえばそうですね。あれも「落書きしてはいけない」という意味ですね。
そんな歌詞あったっけ?
まとめ
「天地無用」とは「荷物の梱包の外側に記載して、荷物の上下を逆さまにすると破損する恐れがあるからしてはならないと警告することば。」という意味で使われている言葉である。
運送業界で使われていた業界用語が由来であり、もともとは「天地(入れ替え)無用」「天地(逆にすること)無用」という言葉が使われていたが、短縮された言葉である。
本来の意味ではない「上下を気にしないでよい」という意味で使う人が3割程いる。
そういえば、「天地無用」は四字熟語じゃないの?「四字熟語です」って書いてないけど。
漢字4字から出来ていますが成句ではないですからね。厳密な意味では四字熟語とは言えないようです。
なるほど、わからん。
「焼肉定食」が四字熟語じゃないのと同じような意味らしいんな。
けど、辞書によっては四字熟語として載ってるものもあるらしいんな。
なるほど、ちょっと分かった気がする。