福神漬け
2021年7月29日

福神漬けの由来とは?

By 座敷あらし

「福神漬け」の由来

カレーライスに添えられる定番の漬物といえば福神漬けですね。

それ以外にも、チャーハンやピラフの横にも添えられていることがあります。

そんなふうに日常的に食べている福神漬けですが、どうして福神漬けという名前になったのでしょうか?

今回はそんな「福神漬け」という名前の由来について調べていきたいと思います。

読み:ふくじんづけ/ふくしんづけ

福神漬けはウマいんな!カレーが引き立つんよ!

それにしても、福神漬けの由来ですか。福に神と言うと…。

分かった!福を持ってきてくれる神様を漬け込んで食べたらご利益あるよ!って感じかな~?

罰当たりにもほどがありますよ。

「福神漬け」とは

「福神漬け」とは

非発酵型の漬物の一種で、ダイコン、ナス、ナタマメ(鉈豆)、レンコン、キュウリ、シソの実、シイタケまたは白ゴマなどの7種の下漬けした野菜類を塩抜きして細かく刻み、醤油と砂糖やみりんで作った調味液で漬けたもの。「ふくじんづけ」と呼ばれる場合が多いが、「ふくしんづけ」と呼ぶ地方もある。

という食べ物の名前です。

詳しくは、農林水産省の農産物漬物の日本農林規格(JAS)によって規定されており、農産物漬物の分類の「農産物しょう油漬類」というカテゴリーに属しています。

「だいこん、なす、うり、きゅうり、しょうが、なたまめ、れんこん、しそ、たけのこ、しいたけ若しくはとうがらしを細刻したもの又はしその実若しくはごまのうち5種類以上の原材料を主原料とし漬けたものをいう。」

と規定されています。

へぇ、そんなに細かく決まってたんな。

福神漬けの材料ってダイコンだけだと思ってたからびっくりだよ~!

明らかに色々入ってるじゃないですか、この味音痴め。

「福神漬け」の由来

それでは「福神漬け」の由来について見ていきましょう。

由来は諸説ありますのでご紹介します。

了翁道覚が考案

1672年、出羽国雄勝郡八幡村(現・秋田県湯沢市)出身の了翁道覚が、上野寛永寺に勧学寮を建立しました。

勧学寮では寮生に食事が出されおり、おかずとして、了翁道覚が考案したといわれる漬物が出されていました。

ダイコン、ナス、キュウリといった野菜の切れ端の残り物をよく干して漬物にしたもので、輪王寺宮がこれを気に入り「福神漬」と命名し、巷間に広まったとされています。

知らない言葉が多すぎてよく分かんないよ。了翁道覚と輪王寺宮って何?

【了翁道覚】(りょうおう どうかく)
江戸時代前期、教育文化、社会福祉、公共事業など各種の社会事業に貢献した黄檗宗の僧。出羽国雄勝郡八幡村生まれ。初め名を祖休といい、後に道覚とあらためた。号も初めは了然といい、後に了翁にあらためた。

【輪王寺宮】(りんのうじのみや)
日光・上野の輪王寺の門跡であった法親王の称号。日光宮。

つまり、坊さんが寮を作って、その寮生に食べさせていた福神漬けが大人気になったってことか。

余った野菜の切れ端で人気のおかずになって良かったですね。

上野の漬物店「山田屋」の店主が開発

明治時代初頭、東京・上野の漬物店「山田屋」の店主・第15代野田清右衛門が開発し、自分の経営する茶店で売り出したところ評判となり、日本全国に広まりました。

これを気に入った当時の流行作家であった梅亭金鵞(ばいていきんが)は、「ご飯のお供にこれさえあれば他におかずは要らず、食費が抑えられ金が貯まる、まるで福の神がやってきたようだ」ということと、7種類の野菜を使用していること、店が上野不忍池の弁才天近くにあったことなどから「福神漬」と命名したそうです。

【梅亭金鵞】(ばいていきんが)
幕末から明治中期の作家・編集者。 滑稽本・人情本・啓蒙書・諷刺小説などを書いた。

西日暮里の浄光寺に表彰碑もあるそうですね。

金が貯まる、7種類の野菜、弁才天近くに店…ふむ、こっちのほうが信憑性が高いんな。

その山田屋ってまだあるの?

「酒が悦ぶほどうまいもの」の意として「酒悦」の屋号に変更したようですよ。

なぜカレーライスに福神漬けを添えるのか

福神漬けがカレーライスに添えられるようになったのは大正時代からです。

日本郵船の欧州航路客船で一等船客に提供されていたカレーライスには「チャツネ」が、二等・三等船客には「たくわん」が添えられていたそうです。

【チャツネ】
南アジア・西アジアを中心に使われているソース、またはペースト状の調味料。豆と各種香辛料で作る日本のふりかけに類似したものもある。

しかし、チャツネが切れてしまったのか、カレーライスに福神漬けを添えて船客に提供したそうですが、このことがきっかけで、カレーライスと福神漬けの相性のよさが徐々に広まったそうです。

チャツネと似ていたことから福神漬けを添えたらしいですね。

添えた人ナイス判断だね!

まとめ

「福神漬け」とは「漬物の一種で、ダイコン、ナス、ナタマメ(鉈豆)、レンコン、キュウリ、シソの実、シイタケまたは白ゴマなどの7種の下漬けした野菜類を塩抜きして細かく刻み、醤油と砂糖やみりんで作った調味液で漬けたもの。」である。

名前の由来は諸説あり、了翁道覚が寮生へのおかずとして考案し輪王寺宮が命名したという説、上野の漬物店「山田屋」の店主が開発し梅亭金鵞が命名したという説がある。

福神漬けをカレーライスに添えるようになったのは、欧州航路客船でチャツネの代わりに添えて提供したことがきっかけだと言われている。

突然ですが今日は何の日でしょう?

今言うってことは福神漬けの日ですか?

ピンポン!七福神の 7(しち) 29(ふく) の語呂合わせで制定されたらしいん!

7月29日は福神漬けの日だね!覚えたよ~!