舌を巻く とは?
「舌を巻く」の意味
「舌を巻く」とはどういう意味かご存じでしょうか?
読み:したをまく
あぁ~、これ私苦手なんだよねぇ。うまく巻けないんだよ~。
もしかして、巻き舌のことだと思ってます?
巻き舌っていうのか知らないけど、ペコちゃんみたいに舌を出すやつのことだよ。
ペコちゃんか、あれは難しいんな。
「舌を巻く」の意味
「舌を巻く」とは
あまりにもすぐれていて、ひどく驚く。感嘆する。
という意味で使われている言葉です。
また、非常に驚いたり感心したことによって言葉が出ない様子も表します。
この言葉はただ単にひどく驚いたときや、思っていたよりも悪い結果で驚いた、というときには使いません。
素晴らしいものを見たり体験して非常に驚いた、という時に褒め言葉としてよく使われています。
巻き舌は
舌の先を巻くようにして勢いよく話すこと。また、その口調。江戸っ子に特有のもの。べらんめえ口調。
という意味の全く別の意味の言葉になりますので注意しましょう。
舌を巻くは言葉が出ないくらい驚いてるのに、巻き舌は勢いよく話すなんて面白いんな。
紛らわしいからやめてほしいなぁ~。
「舌を巻く」の由来
「舌を巻く」は、中国の『漢書・揚雄伝』という書物に由来しています。
【漢書】(かんじょ)
中国後漢の章帝の時に班固・班昭らによって編纂された前漢のことを記した歴史書。二十四史の一つ。「本紀」12巻、「列伝」70巻、「表」8巻、「志」10巻の計100巻から成る紀伝体で、前漢の成立から王莽政権までについて書かれた。『後漢書』との対比から前漢書ともいう。
その中に「舌巻」という表現がありますが、これを訓読みをすると「舌を巻く」となります。
「舌巻」とは、舌を巻くように折り曲げて口の奥に入れているような状態のことです。
驚いたり感心した時には声も出せないような状態になってしまうので、「舌巻」のように舌を巻いて話せない状態に例えたそうです。
また、「舌」は言葉の例えであり、「巻く」は舌の位置を後ろに戻すことなので、「言葉を飲み込む」ということがもともとの意味であるという説があります。
ほかにも、「舌」は言葉のことで、「巻く」は「おさめる」ということなので、「舌を巻く」で「言葉が出ないほど驚く」という意味になったという説もあります。
たしかに舌を奥に入れるように曲げたら喋れないや~びっくり!
いや、当たり前でしょう。
こんな喋りにくいのに、外国の人は普通に巻き舌で喋ってて凄いんな。
それな~。
使い方
「舌を巻く」はあまりにも感心して驚き、声が出ないぐらいであるということを指して使います。
たまに、皮肉を込めて悪い意味で使われることもありますが、基本的には良い意味で使われます。
それでは見ていきましょう。
新しくできたあのパフェのお店にはもう行ったんですか?
この間行ってきたん!美味しすぎて舌を巻いたよ!
へぇ~私も行きたいな!…ってお値段かなり高いんだねぇ…舌を巻いたよ。
感嘆したわけではないので、そこは普通に「驚いた」でいいと思いますよ。
そっかぁ、舌を巻くのも難しいんだねぇ。
類語
それでは「舌を巻く」と同じような意味の言葉を見ていきましょう。
「言葉を吞む」(ことばをのむ)
感動や驚きのために、また、相手の気持ちを察して、言おうとしたことが言えなくなる。
「脱帽する」(だつぼうする)
①敬意を表して、かぶっている帽子をぬぐこと。
②相手に敬意を示すこと。感服すること。
「感服」(かんぷく)
深く感心して、尊敬・尊重の気持ちを抱くこと。
まとめ
「舌を巻く」とは「あまりにもすぐれていて、ひどく驚く。感嘆する。」という意味で使われている言葉である。
「舌を巻く」は、中国の『漢書・揚雄伝』という書物の「舌巻」に由来しており、驚いたり感心した時には声も出せないような状態になってしまうので、「舌巻」のように舌を巻いて話せない状態に例えたと言われている。
みーたむ、パフェおごって~。
何でですか、嫌ですよ。
こんなときはお兄ちゃんの出番なんよ。
あぁ、いいですね。兄様におごらせましょう。