御の字 とは?
「御の字」の意味
「御の字」とはどういう意味かご存知でしょうか?
読み:おんのじ
「御」の字?それに何か意味があるの?
「御の字」の意味であって、「御」の字の意味を聞かれているのではないのですよ?
そうなの?紛らわしいね~。
全然紛らわしくないと思うんな。
最近の使われ方
「目標としていた優勝は叶わなかったが、甲子園の土が踏めただけで御の字だ。」
というように、「満足はしていないが、納得はできる」など、妥協を表す言葉としてよく使われている言葉だと認識している人は多いのではないでしょうか。
この例文でいうと、「目標としていた優勝はできなかったので満足はしていないが、甲子園に出場できただけましだった。」
という意味合いです。
ですが、これは本来の使い方ではないのです。
あぁ、この使い方聞いたことがあるよ~。これ間違ってるの?
妥協って意味で使ってる人は多いでしょうね。
甲子園優勝狙ってたのに初戦敗退したって感じかな。お疲れ様なん。
本来の意味
本来「御の字」とは
①非常に結構なこと。望んだことがかなって十分満足できること。
② 最上のもの。
という意味で使われている言葉です。
ですから、妥協を表す言葉として使うのは誤りといえます。
初戦敗退なんて望んでなかっただろうし、たしかに間違った使い方だね。
ただ、優勝を目標にしていたのが本気だったのであれば誤りですが、甲子園出場すら夢のような出来事だったのであれば、たとえ優勝できなくても十分満足はしているでしょうけどね。
その人の考え方で変わるんな。
「御の字」の由来
「御の字」はもとは、江戸時代初期の遊里語から出た語だと言われています。
江戸時代には遊女たちが「ありんす」「ざんす」といった「廓詞(くるわことば)」を用いていました。
「御の字」も「廓詞(くるわことば)」のひとつです。
【廓詞】(くるわことば)
江戸時代の遊廓で遊女が使った言葉・言葉遣い。里詞(さとことば)、花魁詞(おいらんことば)、ありんす詞(ありんすことば)などともいった。「ありんす」は「あります」の音変化で新吉原の遊女が用いた。方言や訛りを隠したり出身を分からなくするために使われ、新吉原は「ありんす国」とも呼ばれた。
「御の字」の「御」という字は尊敬の意を表したり、特に素晴らしいものや最上のものを表すときに使われます。
このことから、「御」の字を付けたくなるほど非常に有り難いことを、「御の字」と言うようになりました。
「ありんす」って可愛いよね!
そうですね、なんだか中毒性がありますよね。
最近だと、ゾンビのゆうぎり好きなんよ!
誤用の定着率
平成20年度に「国語に関する世論調査」で、「70点取れれば御の字だ」という例文を挙げ、「御の字」の意味を尋ねたところ、
本来の意味の「大いに有り難い」で使う人は38.5パーセント、
本来の意味ではない「一応、納得できる」で使う人は51.4パーセント、
という結果が出ています。
やっぱり「一応、納得できる」派が多いんな。
えー?70点も普段取れないし、そんなに高い点数だったら「大いに有り難い」だと思うけどなぁ。
誤用の原因はその認識の違いですよね。
なぜ誤用されることが多いのか
なぜ誤用されることが多いのか、それは先ほどの三人のトークのように、その発言を聞いた人がどのようにとらえるかが「御の字」の意味に影響している可能性があるといえます。
先ほどの調査の例文である「70点取れれば御の字だ」で見てみましょう。
御の字の本来の意味を知っている人は、自分自身が「70点」に対してどう思っているのかは関係なく、その発言を「70点取れれば大いに満足だ。」と解釈できるでしょう。
しかし、本来の意味を知らない人の中には、「70点」を「満足ではないが、喜べる最低ラインの点数」と受け取って「70点取れればとりあえず納得できる。」と解釈する人がいるかもしれません。
したがって、本来の意味を知らない人が、「70点」を「有り難い」点数ととらえたかどうかということが影響していると思われます。
ですが、間違った解釈をしていても会話にはそれほど影響がないため、誤用が広がっていったのかもしれません。
御の字だって言われても、どちらの意味で受け取っていたとしても「よかったですね」って言うだけですからね。
それな。
まとめ
「御の字」の本来の意味は「非常に結構なこと。望んだことがかなって十分満足できること。最上のもの。」である。
しかし最近は「一応、納得できる」という、妥協を表す意味で使う人も多い言葉である。
私、きょうから「ありんす」キャラになろうかな~。
無理無理。やめときなはれ。
言葉も難しいですし、何より、あーたむの見た目からして全く似合わないので無理です。
見た目…!?