なしのつぶて
2021年5月19日

なしのつぶて とは?

By 座敷あらし

「なしのつぶて」の意味

「なしのつぶて」という言葉はご存じでしょうか?

漢字では「梨の礫」と書きますが、なぜ梨なのか、礫とはいったい何なのか。

そもそも言葉の意味は何なのか、今日は「なしのつぶて」について見ていきたいと思います。

今日は「なしのつぶて」らしいんな。

なんで梨なんでしょうね。

つぶてって難しい漢字なんだねぇ~。
粒かと思ってたよ。梨のつぶつぶ入りジュースみたいな!

それは美味しそうなんな。

「なしのつぶて」の意味

「なしのつぶて」とは

投げられた礫(つぶて)のように、便りをやったのに返事のないこと。

という意味で使われている言葉です。

こちらから便りを送っても、相手から一向に返事がない、応答がない、無視されている、という意味で使われている言い回しです。

「投げられた礫(つぶて)のように」って言われても「礫(つぶて)」なんて知らないよ~。

それはこれから説明がありますよ。

「なしのつぶて(梨の礫)」の由来

「梨の礫」の「礫(つぶて)」とは

小石。投げる小石。

という意味があります。

先程の「投げられた礫」とは「投げられた小石」ということです。

そして、ポーンと投げられた小石はどうなるでしょうか?

例えばボールを壁打ちでもしていたら帰ってくるでしょうが、投げられた小石ですとこちらに返ってくることはありません。

つまり、投げたっきり返ってこない小石を、手紙や連絡などが返ってこない様子に例えるようになりました。

そして「梨」については、ただの語呂合わせで意味は何もないそうです。

そもそもは「小石が返ってこない」ということで「無し」でした。

ですが、「無しの礫」ですと分かりにくいということで、語呂合わせで「無し」から「梨」へと変わったそうです。

小石か~。「礫」って文字強そうなのにちっぽけな「小石」って意味だったんだね。意外!

「磔(はりつけ)」って字と同じかと思ってたら違うんな。漢字難しいん。

「梨」も驚きましたね、まさかただの語呂合わせだったとは思いもしませんでした。

おやじギャグは昔からあったってことなんな。

類語

それでは類語について見ていきましょう。

「音沙汰がない(おとさたがない)」

便りや連絡、訪れがないこと。

「音無しの構え(おとなしのかまえ)」

①音を立てない姿勢。
②行動を起こさないこと。働きかけに対して反応を示さないこと。

「鉄砲玉(てっぽうだま)」

①鉄砲の弾丸。銃弾。
②黒砂糖などを煮詰めて作った飴玉。
③行ったきり帰ってこないこと。また、返事のないこと。
④泳ぎができないこと。また、その人。かなづち。
⑤(俗に)抗争相手の大物を殺すよう差し向けられた者。ヒットマン。

などが「なしのつぶて」の類語です。

これ以外にも類語はあるので気になる方は調べてみてください。

こんだけあったらもう十分だよ。

使い方

それでは使い方を見てみましょう。

そういえば、おにぃが彼女ができそうって言ってたけど、どうなったのかな?

ダメだったらしいですよ。徐々に返信が来なくなって、しまいには、なしのつぶてだったとか。

あちゃ~。相手の人はその気が全く無かったのに、おにぃがしつこく迫ったんだろうね~。

可哀想なんな。そのお相手の人が。

まとめ

「なしのつぶて」とは「投げられた礫(つぶて)のように、便りをやったのに返事のないこと。」という意味で使われている言葉である。

漢字では「梨の礫」と書き、「礫」は投げた小石を意味し、「投げたっきり返ってこない小石を、手紙や連絡などが返ってこない様子」に例えるようになった。

「梨」はそもそも「無し」だったが、語呂合わせで変えられたため、「梨」とは何の関係もない。

こんなに梨梨言われたら梨食べたくなってきたん!

梨の季節にはまだ早いですね。

どんなのが好き~?私は甘いやつ!

ウチは二十世紀梨が食べたいん。早く秋になればいいのに。

まだ夏も来てませんよ。