煮え湯を飲まされるとは?
「煮え湯を飲まされる」の意味
「煮え湯を飲まされる」とはどういう意味かご存知でしょうか?
また、誰から飲まされることなのか、分かりますか?
読み:にえゆをのまされる
熱いお茶を飲まされるってことでしょ?お笑い芸人じゃないと無理だわ~。
煮えたぎったお湯なんてお笑い芸人でも無理すぎるんよ。
熱々おでんを顔に当てるのがせいぜいですよ。
最近の使われ方
「今回もあいつに煮え湯を飲まされた。」
というように、誰かに酷い目に遭わされたときに使う人が多いと思います。
ですが、この例文は間違った使い方をしています。
なんで?何も間違えてなくない?
しいて言うなら、「今回も」ってことは、前にも酷い目に遭わされたんだろうし、学習しなよ、とは思うんな。
そういう問題ではないんですけれどね。
本来の意味
本来「煮え湯を飲まされる」とは
信用していた人から裏切られてひどい目に遭わされる。
という意味があります。
「煮え湯」とは煮え立った熱湯のことです。
「飲み頃だ」とすすめられて、それを飲んだときに、口の中が煮えたぎるほど熱い思いをすることからいいます。
信頼している人に渡されたから、なんの疑いもなく飲んだのに、火傷をしてしまった、ということです。
つまり、先ほどの例文の、
「今回もあいつに煮え湯を飲まされた。」
という文章ですと、「今回も」と言っていることから、前回も何かしら裏切られたことがあるのでしょう。
そんな人はそもそも信用していないので、「煮え湯を飲まされる」とは少し違うということです。
信用していたのにそんなことされるなんて酷すぎるね!
いや、熱湯か飲み頃かどうかなんて、なんとなく分かるでしょ。
ポンコツだったんかな?
誤用の定着率
平成23年度に「国語に関する世論調査」で、「煮え湯を飲まされる」の意味を尋ねたところ、
本来の意味の「信頼していた者から裏切られる」で使う人は64.3パーセント、
本来の意味ではない「敵からひどい目に遭わされる」で使う人は23.9パーセント、
という結果が出ています。
半数以上が正解を答えているん!珍しいんな。
10年前の調べですからね、今調べたらどうなるかは分かりませんが。
なぜ誤用されることが多いのか
では、なぜ誤用されることが多いのか、考えてみましょう。
「煮え湯を飲まされる」とは、予想していないときに酷い目に遭わされるときに使う言葉です。
煮え湯を飲ませようとしてくる相手だと分かっていたら警戒をして、飲み頃だと言われても信じず、すぐに口はつけないでしょう。
そんなことをする相手ではないと、その人を信用しているからこそ起こってしまうのです。
ですが、信用しているしていないにかかわらず、煮え湯自体がとても危ないもので、騙された状態でなくても、無理やり飲まされたら火傷をして大変な目に遭ってしまいます。
ですので、「信頼している相手から」という意味が無くても意味が通じることから、いつのまにか忘れられて、「相手から酷い目に遭わされる」時に使う人が増えたのかもしれません。
煮え湯を無理やり飲まされるって怖いよね、信用しているかどうかなんて関係ないわ~。
まとめ
「煮え湯を飲まされる」の本来の意味は「信用していた人から裏切られてひどい目に遭わされる。」である。
しかし最近は、相手を信用していなくても、「敵からひどい目に遭わされる」ときに使う人も多い言葉である。
けどさぁ、飲み頃って言われても、あったかい飲み物なんだからふーふーして飲んだら良かったのにね。
それな!そもそも、飲み頃って何度くらいなんだろう?
一説によると、お茶やコーヒーは80~90度くらいが飲み頃と考えている人が一番多かったらしいですよ。
そんなの、急に飲んだら火傷するやつやん。