勝手口
2021年3月23日

勝手口の由来とは?

By 座敷あらし

「勝手口」の由来

最近はマンションの家も多いので、家に勝手口が無いという人も多いでしょうが、戸建ての家ですと、付いていることが多いかと思います。

そんな「勝手口」という名前の由来について調べていきたいと思います。

勝手口ですか、由来は知りませんねぇ。

勝手口って必要なの?あんまり使わないからドアの前に物を置いて出入り出来ないようにしている家もあるよね~。

まぁ、そういう家もあるだろうけどね。昔の一軒家には必ずと言っていいほど付いてたものだからね、よく分からんけど必要なんじゃね?

「勝手口」の意味

「勝手口」とは

①台所の出入り口。また、外から台所に通じる出入り口。
②茶室で、亭主が出入りする口。客が出入りする躙 (にじ) り口に対していう。茶道口。

という意味で使われている言葉です。

茶道!?

家の台所以外にも使われているんですね。

「躙 (にじ) り口」とか言われても分からんわ。茶室に入る小さい入口のことかな?

はい、それです。
高さ2尺2寸(約66センチ)、幅2尺1寸(約63センチ)くらいの小ささで、にじるようにして入るのでこの名が付いています。

ふーん、・・・ん!?

「勝手口」の由来

それでは「勝手口」の由来について見ていきましょう。

由来は諸説ありますので、特に有力そうな二説をご紹介します。

①「かて(糧)」と茶室

室町時代のころから、台所のことを「勝手」と呼んでいました。

また、茶室で茶の湯をしまっておくところも「勝手」ということから、家の者が人目につかずに出入りする口ということで「勝手口」と呼ぶようになりました。

そもそも台所のことを勝手と呼んでいたのは、「かて(糧)」の古形「かりて」が転じたものだと言われています。

食糧であるという意が転じて、台所や生計の意を表すようになりました。

②弓道

弓道では、弓を持つ左手を「押手(おして)」、弦を引く右手を「勝手」と呼びます。
そして、左手の「押手(おして)」は弓を押さえていて自由が利きませんが、右手の「勝手」は自由が利き、都合よく動かせることから、「都合が良い」「気まま」というような意味で使われました。
そして、「都合が良い」ということから、「暮らし向き」「様子」を指す言葉となり、また、生計の意から「台所」に転じたそうです。

どっちもありそうなんな~!

昔は女性にはあまり自由がなかった時代で、唯一自由にできる場だったのが台所だったことから、それにちなんで「勝手口」の名が付けられたとも言われているそうですよ。

台所は女性の城って聞いたことあるもんね。
けど、私ならごはん作ってくれるなら城なんて明け渡すけどね~。

うむ、あーたむが持ってても不要な城なんな。

「勝手口」の「口」の意味

「勝手」の由来はなんとなく分かったけどさ、なんで「口」なんだろうね?

「勝手口」「出口」「入口」と、「口」が当然のように使われていますが、どういう意味合いで使われているかご存じでしょうか?

「口」は意味がとても多い言葉です。

①動物の消化器系の開口部で、食物を取り入れる器官。人間では顔面の下部にあって、口唇・口蓋 (こうがい) ・口底に囲まれ、中に歯・舌などがある。発声にも関係する。口腔 (こうこう) 。
②就職や縁組みなどの落ち着く先。
③物事を分類したときの、同じ種類に入るものの一つ。また、その種類。たぐい。

などの意味があります。

また、上記①の理由に似ていることから、

1.人や物の出入りするところ。
2.容器の中身を出し入れするところ。
3.物の、外部に開いたところ。すきま。穴。

という理由もあり、今回の「勝手口」はこの、「人や物の出入りするところ」という意味で使われています。

まとめ

「勝手口」とは「台所の出入り口、外から台所に通じる出入り口
」または「茶室で、亭主や客が出入りする口」のことである。

由来は諸説あり、台所や茶室で茶の湯をしまっておくところを「勝手」ということから、家の者が人目につかずに出入りする口ということで言われたという説。

もう一つは弓道に由来しており、左手の「押手(おして)」は弓を押さえていて自由が利かないが、右手の「勝手」は自由が利き、都合よく動かせることからという説である。

結局、勝手口はあったほうがいいの?

人目につかずに外に出たかったり、家の裏に駐車場があるなどで、裏から出入りしたい人にはあってもいいんじゃないですか?

どっちにしろ、今のあーたむには不要なんな。