琴線に触れるとは?
「琴線に触れる」の意味
「琴線に触れる」とはどういう意味かご存知でしょうか?
読み:きんせんにふれる
琴の線に触れる…?音が出る以外に何かあるの~?
もう少し情緒ってものを持ってないのですか…。
情緒があるあーたむはなんか気持ち悪いん。
それもそうですね。
なんだとー!?
最近の使われ方
最近は「怒りを買ってしまうこと」という意味で使われることも多くなっています。
ですが、それは本来の使い方とは違っているのです。
「くっふっふ、どうやら私の琴線に触れてしまったようだな。」って感じで使えばいいの?
使い方としては間違ってはいませんが、どんな状態でその言葉に達したのかにもよりますね。
間違い設定だったら、『買っておいたプリンを娘と奥さんに勝手に食べられた中年男性』のセリフってことでどうよ?
それなら間違いなく、誤用の例文になりますけれど…なんでそんな設定に?
本来の意味
本来「琴線に触れる」とは
良いものや、素晴らしいものに触れて感銘を受けること。
という意味で使われています。
「琴線」とは
①琴の糸
②心の奥深くにある、物事に感動・共鳴しやすい感情を琴の糸にたとえていった語。
という意味があります。
②は「琴線」に「触れる」が加わることによって成句となります。
誤用の定着率
平成19 、27年度に「国語に関する世論調査」で、「琴線に触れる」の意味を尋ねたところ、
本来の意味の「感動や共鳴を与えること」と回答した人は平成19年度が37.8パーセント、平成27年度が38.8パーセント、
本来の意味ではない「怒りを買ってしまうこと」と回答した人は平成19年度が35.6パーセント、平成27年度が31.2パーセントという結果が出ています。
あれ?本来の意味派と本来の意味ではない派を足しても7割くらい?残りの3割はどこいったの?
残り1割はその他諸々で、残りの2割は「分からない」と答えたそうです。
言葉自体知らないって人が結構いるんな。
なぜ誤用されることが多いのか
なぜ誤用されることが多いのでしょうか、それは「~に触れる」という言葉が「逆鱗に触れる」と混合してしまっているからでしょう。
「逆鱗に触れる」とは
天子の怒りに触れる。また、目上の人を激しくおこらせる。
という意味の言葉です。
このことから、「~に触れる」という言葉は「相手を怒らせる」という意味だと間違った使い方が広まったのかもしれません。
本来は、琴の糸から発せられる音色が心に響き、感動することによって使われだした言葉です。
ですが、感動することも、怒ることも、心に触れるという点においては同じですので、間違いやすい言葉であるのかもしれません。
なるほどー!最初は琴の音色を聞いて感動したから生まれた言葉なんだね!
今は「逆鱗に触れる」と同じで、「怒りスイッチを押す」といった意味合いで間違った使い方をしているんでしょうね。
『怒りスイッチ』かぁ、分かりやすくていいんな!
まとめ
「琴線に触れる」の本来の意味は「良いものや、素晴らしいものに触れて感銘を受けること。」である。
しかし最近は「怒りを買ってしまうこと」という間違った使い方をされることも多いが、「意味が分からない」という人も2割以上存在する。
琴の音色っていいよね、癒されるん。
それよりさ、「くっふっふ、どうやら私の琴線に触れてしまったようだな。」の正解パターンはどんな設定なの?
えー…?『冷蔵庫に入れておいたプリンを娘に食べられたけど、反抗期中の娘から「プリン買ってきてくれてありがとう」と久々に話しかけてもらえた父親の心情』でどうよ?
おぉ~!それはパパさん嬉しいね!
それは「琴線に触れる」で合ってるんでしょうか…。