奇特とは?
「奇特」の意味
「奇特」とはどういう意味かご存知でしょうか?
読み:きとく
チチ、キトク…?
多分、そのキトクは違うキトクですよ。
奇天烈なこと?
キテレツ?コロ助か~!
最近の使われ方
最近は「奇妙で珍しいこと」という意味でよく使われています。
「私の部下はとても奇特な人です。」
と上司に言われるとその部下は少し嫌な気持ちになるかもしれません。
ですが、本来の意味ではそうではないのです。
「奇特」って言われて、そんなに嫌な気持ちになるかなぁ?
あれ、実は本来の意味を知ってたん?
ううん、知らないよ~!
だけど、「奇妙で珍しい人」って言われたらちょっと嬉しくなるよね~。
いや、なりませんよ。
本来の意味
本来「奇特」とは
言行や心がけなどがすぐれていて、褒めるに値するさま。
という意味で使われています。
奇特の「奇」とは
普通とちがっている。すぐれている。
という意味があります。
また「特」とは
他と異なってそれ一つだけのさま。
それだけ目立って著しいさま。
という意味があります。
この二つの漢字が組み合わさることによって、「他と異なり特別にすぐれている」というような意味になります。
誤用の定着率
平成14、27年度に「国語に関する世論調査」で、「彼は奇特な人だ。」という例文を挙げて「奇特」の意味を尋ねたところ、
本来の意味の「優れて他と違って感心なこと」で使う人は平成14年度、平成27年度ともに49.9パーセント、
本来の意味ではない「奇妙で珍しいこと」で使う人は平成14年度が25.2パーセント、平成27年度が29.7パーセントという結果が出ています。
なんだって!?平成14年度、平成27年度ともに全く同じ数値だなんて、なにか裏があるぞ!
何もないです、ただの偶然ですよ。
それにしても今回は珍しく本来の意味で使う人の方が多いんな!
なぜ誤用されることが多いのか
なぜ誤用されることが多いのか、それは、奇特の「奇」の文字にあるかもしれません。
「奇」という文字が入った言葉でよく使われるものは「奇妙」「奇行」「怪奇現象」「猟奇」などがあります。
それらの意味に引っ張られて、「奇特」も「奇妙」と同じような意味だと思われだしたのかもしれません。
また、集英社の少年向け漫画雑誌「週刊少年ジャンプ」の影響もあるのではないか、とも言われています。
1982年10月から1995年12月まで「週刊少年ジャンプ」において連載された読者投稿コーナー「ジャンプ放送局」の中に、「奇特人間大賞」というコーナーがありました。
それは、身の回りにいる変な人間を特集するコーナーだったことから、誤用が浸透したのではないか、とも言われています。
えー、それだけでジャンプのせいになっちゃうの!?
10代~30代の人だけ「奇妙で珍しいこと」で使う人が多いというのも根拠らしいですよ。
50代以降は「優れて他と違って感心なこと」で使う人の方がはるかに多いっていう結果らしいんな。
まとめ
奇特の本来の意味は「言行や心がけなどがすぐれていて、褒めるに値するさま。優れて他と違って感心なこと。」である。
しかし最近は「奇妙で珍しいこと」という意味で使われることも多い。
最初の例文の、「私の部下はとても奇特な人です。」って言ってた上司は部下を褒めてたんだね!いい話だな~。
そうとも限りませんよ?上司も誤用の意味で使っていたかもしれませんよ?
チャラチャラリ~チャラチャラリ~♪
奇妙な物語歌うのやめてぇ…。