石部金吉
2021年2月2日

石部金吉とは?

By 座敷あらし

「石部金吉」の意味

「石部金吉」とはどういう意味かご存知でしょうか?

読み:いしべきんきち

誰?偉人?

あー…、いたね!小学校の同級生で坊主頭の…?

いや、そんな同級生いませんよ。

意味

「石部金吉」とは

まったく融通のきかない堅物、女色に惑わされない性格を、石と金を重ねて人名めかしてたとえることば。

という意味の四字熟語です。

意味をさらに強調した、「石部金吉金兜(いしべきんきちかなかぶと)」という言い方もあります。

語源・由来

「石部金吉」の「石」と「金」はどちらもとても硬いものです。

硬いものを二つ並べて人名のように表現することで、「とても硬いもの」から「非常に堅い人・性格」を意味する言葉になりました。

この言葉は江戸時代にはすでに使われていたようです。

江戸時代の歌舞伎や浮世草子にも、現在と同じ意味で使われているようです。

江戸時代の頃は男女問わず使われていましたが、今は男性に対してのみ使われています。

実在する人の名前じゃないんね。

モデルがいたわけでもなく、ただ人の名前っぽく表現していたようですね。

あれ、いなかったっけ?でも最近も聞いた気がするんだけどなぁ。

最近、倍返しとやらで有名な某ドラマで使われていたようですよ。

擬人名

「石部金吉」のように、言葉をもじって人名のように表現することは昔からよくありました。

それを「擬人名」と言います。

その外見・性質などの特徴によって与えた、人名のような呼び名。

非常にやせている人を「骨皮筋右衛門(ほねかわすじえもん)」、好色な人を「助平 (すけべい)」 、ネズミを「忠兵衛(ちゅうべえ)」、平気なことを「平気の平左(へいきのへいざ)」などと言います。

これ以外にも数えきれないほど人名らしく表した言葉がたくさんあります。

これを機会に調べてみてるのも面白いかもしれません。

いつも何気なく使っていた言葉が「擬人名」だったということもあるでしょう。

じゃあ「合点承知の助」とかもそうなんか!

え、普段からそんなの使います?
擬人名には違いないですけれど。

あ、思い出した!土左衛門!

モデルがいるから擬人名と言っていいのか分かりませんが、それよりも、そんな言葉を大声で言わないでくださいね…。

なんで?ドラえもんの仲間でしょ?

【土左衛門】(どざえもん)
《ふくれあがった水死体を、享保(1716~1736)ころの江戸の力士成瀬川 (なるせがわ) 土左衛門の色白の肥満体に見立てて言いだしたものという》おぼれて死んだ人のからだ。水死体。

使い方

「石部金吉」は人の性格を表す言葉です。

ポジティブな意味で捉えると「真面目」「女遊びや賭け事をしない」ということがあります。

また、ネガティブな意味で捉えると「融通が利かない頑固者」「男女の機微に疎い」ということがあります。

どちらの意味としても使える言葉といえます。

では実際に使ってみましょう。

部長って真面目すぎるくらい真面目な人なんな。

社長に誘われても、奥さんがいるからってキャバクラとか断ってるらしいですからね。

けど真面目過ぎて困るよ~!有給申請したら一週間前までにしないとダメって断られたんだよ!一日過ぎたくらいいいじゃん!

石部金吉な人ですからね。
まぁ会社が有給申請断ることは違法なんですけどね。

類語

「石部金吉」の類語も見てみましょう。

「杓子定規」(しゃくしじょうぎ)

一定の基準や形式で、すべてを律しようとすること。また、そのために融通がきかないさま。

「四角四面」(しかくしめん)

生真面目で、おもしろみに欠けること。考え方や態度などが、まじめすぎて、堅苦しいこと。

「頑固一徹」(がんこいってつ)

非常にかたくなで、一度決めたらあくまでも自分の考えや態度を変えようとしないさま。また、そういう性質。

似た言葉ってたくさんあるんだね~。

まだまだ類語はありますので、他にも知りたければ調べてください。

まとめ

「石部金吉」とは

「まったく融通のきかない堅物、女色に惑わされない性格を、石と金を重ねて人名めかしてたとえることば。」という意味の四字熟語である。

「石」と「金」という硬いものを二つ並べて人名のように表現することで、「とても硬いもの」から「非常に堅い人・性格」を意味する言葉になった。

石部金吉って名前の人っていないのかな?

石部さんはいますから、絶対にいないとは言えないですけれど…。

おじいちゃんならともかく、いまどき「金吉」って名前は付けないんな。