「お墨付き」と「折り紙付き」の違いとは?
「お墨付き」と「折り紙付き」
「お墨付き」と「折り紙付き」と。
よく聞く似た雰囲気の言葉がありますね。
この二つの言葉の、それぞれの意味や由来についてご存じでしょうか?
いやいや君~、どっちも「付き」が付いているだけで似た雰囲気って言われても困るよね~。
「付き」が付いているだけじゃなくて意味も似てますけど…?
え…そうなの!?
言葉が違うだけで意味は同じだと思ってたんよ。
早く意味と由来知りたいん。
無視して話進めないでぇ…。
「お墨付き」の意味と由来
では「お墨付き」の意味から見ていきましょう。
「お墨付き(おすみつき)」とは
①室町・江戸時代、幕府や大名から、後日の証拠として臣下に与えた花押 (かおう) のある文書。
②権力・権威のある人の与える保証。
という意味の言葉です。
「お墨付き」とは、室町・江戸時代に幕府や大名などの地位や権威がある人が、臣下に領地を与える際に渡した証明書が元となって生まれた言葉だと言われています。
その証明書には、本人が認めた正式な文書であることを示すために、墨で花押(かおう)という署名がされており、このことが「お墨付き」と呼ばれるようになった由来だと言われています。
つまり、「お墨付き」とは、地位や権力のある人が、認めたり、保証した、という意味になります。
【花押】(かおう)
署名の代わりに使用される記号・符号。
元々は、文書へ自らの名を普通に自署していたものが、署名者本人と他者とを明確に区別するため、次第に自署が図案化・文様化していき、特殊な形状を持つ花押が生まれた。
要するにサインやハンコと同じような意味ですね。
んで、今は偉い人が「ワシが保証する」って言ってるのと同じような感じなんな。
地位や権力のある人が言うのが「お墨付き」なんな。
なるほど!社長が部下に言うのは良いけど、部下が社長に言うのはダメなんだね。
「折り紙付き」の意味と由来
また「折り紙付き」とは
①鑑定保証書がついていること。また、その物。
②そのものの価値・資格などに定評のあること。保証ができること。
という意味の言葉です。
「折り紙」とは、紙を半折りした文書のことで、平安時代から、公式文書や目録に使用されてきました。
江戸時代には、美術品や刀剣の鑑定書にも、この「折り紙」が使われるようになり、その後、確かに品質が保証されているものを「折り紙付き」と呼ぶようになりました。
最近は、物品だけでなく、人物の実力などについても「折り紙付き」と使うこともあります。
昔は物の保証のために、目録を記した紙を折って付けていたから「折り紙付き」かぁ。
最近は、腕が確かな人など、人に対しても使用できるようになったんですね。
今回は上下関係なさそうだし、部下が社長に使ってもいい言葉ってことかな?
「お墨付き」と「折り紙付き」の違い
「お墨付き」と「折り紙付き」はどちらも「保証する」という意味があります。
ただし、「お墨付き」は誰が保証したか、という点が大切です。
権力や権威のある人など、目上の人でないと使えません。
その点「折り紙付き」は誰でも使えます。
昔は鑑定書として使われてきたことから、物に対してのみ使われてきましたが、最近では人の能力や腕に関しても使うようになってきました。
まとめ
「お墨付き」は、地位や権威がある人が、臣下に領地を与える際に渡した証明書が元であり、「権力・権威のある人の与える保証」のことである。
「折り紙付き」は「鑑定保証書がついていること。そのものの価値・資格などに定評のあること。保証ができること。」ということである。
どちらも「保証する」という意味があるが、「お墨付き」は権力を持つ目上の人しか使えない。
「折り紙付き」は誰に対しても使える言葉であり、物だけでなく、人の腕に関しても使えるようになってきている。
うち何も考えずに「お墨付き」って使ってたんよ…!
今度からは「折り紙付き」使うようにするんよ。
偉くなるまで「お墨付き」は封印だね!
じゃあ、あーたむは一生「お墨付き」は封印ですね。