浮足立つとは?
「浮足立つ」の意味
「浮足立つ」とはどういう意味かご存知でしょうか?
読み:うきあしだつ
モテない男が女の人にデートに誘われた時の様子!
浮かれポンチな!
久々に聞きましたね、浮かれポンチ。
え、もうみんな使ってないの…?
最近の使われ方
最近は「ウキウキして落ち着かない様子」という意味でよく使われていますね。
「彼は気になっていた女性からデートに誘われて浮足立っている」
「コンサートの前日、彼女は浮足立って眠れなかった」
という例文を見て、デートに誘われた男性も、コンサート前日の彼女も「ウキウキして落ち着かない」ように感じる方もいるでしょう。
ですが、本来の意味で考えると、実はそうではないのです。
えー?どっちもウキウキしてるの伝わってくるよ!何が違うの?
本来の意味
本来「浮足立つ」とは
不安や恐れで落ち着きを失う。逃げ腰になる。
という意味で使われていました。
そもそも「浮足(うきあし)」とは
つま先だけが地面につき、かかとが上がっている状態。
という意味で、室町時代から使われてきた言葉だと言われています。
つま先立ちが不安定なことから、落ち着かない態度や逃げ出しそうなことも「浮き足」と言うようになりました。これは江戸時代後期から使われてきたそうです。
ですので、先ほどの例文の本来の意味は
デートに誘われた男性は、「彼は気になっていた女性にデートに誘われたけど、失敗しないか不安になって逃げ出したい気持ちになっている」ことを表していて、
コンサート前日の女性は、「自分が出演するコンサートの前日、失敗しないか、ミスしないか、不安で眠れなかった」ということを表しています。
ビビりめ!デート楽しんでこいよ~!
まさか、彼女がコンサートに出る側だとは思わなかったん。
ウキウキしているのなら、「出演する人」「観客」どちらでもおかしくないですが、コンサートを見に行く観客が不安や恐れで逃げ出したくなるっておかしいですからね。
もし観客だったら、いったいどんなステージなのか気になるんな。それに、なぜチケットを買ってしまったんだっていうね。
誤用の定着率
令和元年の「国語に関する世論調査」で、「浮足立つ」の意味を尋ねたところ、
本来の意味の「恐れや不安を感じ,落ち着かずそわそわしている」で使う人は26.1パーセント、
本来の意味ではない「喜びや期待を感じ,落ち着かずそわそわしている」で使う人は60.1パーセントという結果が出ています。
なぜ誤用されることが多いのか
「浮足立つ」の「浮」という漢字に引きずられているのかもしれません。
よく耳にする、「浮」という文字が入った言葉は「浮き立つ」「浮かれる」「浮つく」などがあります。
「浮き立つ」
心楽しく、うきうきして落ち着かない状態になる。
気持ちがうわずる。そわそわする。
「浮かれる」
楽しくなって心がうきうきする。おもしろさに心を奪われる。
「浮つく」
うきうきして落ち着かなくなる。また、軽薄な感じがする。
どれも「ウキウキ」した状態を表しています。
尚且つ、「ウキウキ」とは漢字で「浮き浮き」と書きます。
このことから、「浮足立つ」も同じような意味だと思って使う人が増えていったのかもしれません。
「ウキウキ」が「浮き浮き」だったなんてびっくりだよ!
「マロは浮き浮きしておじゃる」とか言ってても漢字だと合うんな。
まとめ
「浮足立つ」の本来の意味は
「不安や恐れで落ち着きを失う、逃げ腰になる。」である。
しかし最近は「ウキウキして落ち着かない様子」という意味で使われていることが多い。
ほかの「浮」という漢字が入った言葉は「ウキウキ」した状態を表していることが多いので、間違えて使う人が増えたのかもしれない。
そういえば、「浮かれポンチ」は関東ではあまり使わない言葉らしいですよ。
そうなん!?
ポンチって聞くとフルーツポンチ食べたくなってくるよね~!