杜撰とは?
「杜撰」の意味
「杜撰」とはどういう意味かご存知でしょうか?
読み:ずさん
「ずさん」って読むんだね!「そーせーじ」かと思ってた!
もっと惜しい間違いをしてください…
漢字検定準1級で出てくるんよ。
漢字検定準1級取ってたんですか?
ううん、受けたことないんよ。
意味
「杜撰」とは
①詩や文章に、典拠の確かでないことを書くこと。また、その詩文。
②物事がいいかげんで、誤りが多いこと。また、そのさま。
という意味の故事成語です。
①が元々の意味で、そこから転じて②の「いい加減なさま」という意味に広がっていったと思われます。
現代では②の「いい加減なさま」という意味で使われることが多いです。
物事や人に対しての対処や接し方が大ざっぱでいい加減、中途半端な様子、また、著作物で典拠が不確か、書物内容などに誤りが多いことなどの意味を持つ言葉です。
由来
「杜撰」は中国・宋時代の「王楙(おうぼう・おうもう)」が著した「野客叢書(やかくそうしょ)」という書物に記載されている故事成語に由来しています。
故事
中国・宋の時代に「杜黙(ともく)」という詩人がいました。
杜黙の作る詩は、ほとんどが当時の詩の定型に合わない、書き方の決まりごとを無視したものばかりで、良く言えば独特の、悪くいえばいい加減なものだったのです。
そのことを王楙という人が「野客叢書」に書いたことが「杜撰」の始まりです。
「杜」とは、中国の詩人・杜黙のことで、詩文を作るという意味の漢字「撰」が組み合わさり、生まれました。
いい加減な様子を表す四文字熟語として「杜黙詩撰(ともくしさん)」という言葉も生まれていますよ。
「杜黙(ともく)」も「杜黙詩撰(ともくしさん)」も「杜」を「と」って読むのに、何で杜撰(ずさん)は「ず」って読むんだろうね?
それと、禅を通じて日本に入ってきたとされていて、昔は「ずざん」と読まれていたようですよ。
だから、なんで「ず」!?
何でかは不明らしいよ。謎。
使い方
では実際に使ってみましょう。
あれー?無いなぁ。どこいったかなぁ。
また何か失くしたんですか?
日頃杜撰な管理をしているからですよ。
なに失くしたん?
パスポート…みーたむの。
私の…!?なんで!!
机の下に落ちてたから、失くしたら困るだろうなと思ったからしまっておこうと…ごめんね。
杜撰な管理してたからなんな。
「杜撰」は、「杜撰な管理体制」「杜撰な仕事」などという使い方で、物事がいい加減であることを表す言葉です。
人の性格を表す言葉としては使いませんので注意が必要です。
つまり「あーたむもみーたむも杜撰な性格をしている」って言ったらダメなんな。
類義語・対義語
類義語は、
「粗雑」
いいかげんで大ざっぱなこと。また、そのさま。
「粗放」
綿密でなく、あらっぽいこと。大まかでしまりがないこと。また、そのさま。
対義語は、
「緻密」
細かいところまで注意が行き届いていて、手落ちのないこと。また、そのさま。
「綿密」
詳しく細かいこと。すみずみまで注意が行き届いていること。また、そのさま。
などがあります。
まとめ
「杜撰」(ずさん)とは
「物事がいいかげんで、誤りが多いこと。また、そのさま。」という意味の、故事成語に由来した言葉である。
物事に対して使う言葉で、人の性格については使えない。
「杜撰」の「杜」は、杜黙(ともく)を表しているが、読み方は「と」ではなく「ず」と読む。
自分の名前が後世に残って、言葉になってるってすごいよね!
そうですか?「いい加減なさま」って意味で自分の名前が使われるくらいなら何も残らないほうが良いです。
杜黙が前世の記憶を持ったまま転生してきて、杜撰の由来を知ったらショックだろうね。