画竜点睛
2020年12月1日

画竜点睛とは?

By 座敷あらし

「画竜点睛」の意味

「画竜点睛」とはどういう意味かご存知でしょうか?

読み:「がりょうてんせい」

あれ?「がりゅうてんせい」って読むのかと思ってたん!

惜しい!残念!

あーたむは知ってたんですか?

もっちろん!読みも意味も知らないよ~!

意味

「画竜点睛」とは

物事を完成するために、最後に加える大切な仕上げ。
文章や話などで肝心なところに手を入れて、全体をいっそう引き立てる。

という意味の故事成語です。

「画竜」とは「竜の絵」のことで、「点睛」とは「瞳を書き加える」という意味です。

竜の絵は瞳を書き入れることで完成します。瞳は竜の表情を決める一番大事なところです。

このことから、「完成させるための最後の大事な仕上げ」、また「ほんの少し手を加えることで全体が引き立つ」という意味で使われています。

由来

「画竜点睛」は「歴代名画記」に書かれている、中国の南北朝時代の故事に由来しています。

【歴代名画記】(れきだいめいがき)
中国・唐の高級官僚である張彦遠が著した画論・画史の著作。先史(歴史記録が文書として残っていない時代)から唐朝までの絵画資料を広く集め整理された。

故事

中国南北朝時代の梁(りょう)の画家・張僧繇(ちょうそうよう)は、武帝に安楽寺の壁に4匹の金竜を描くよう命じられ、わずか3日間で絵を描き終えました。

見に来た人々は感嘆の声を挙げ、まるで本物の竜だとほめたたえました。しかし、これら4匹の竜には目がありません。

そこで皆は目を入れてくれるよう張に頼みました。

すると彼は「竜に目玉を入れるのは簡単ですが、そうするとこの竜は壁からとび出して飛んでいってしまいます」と言います。

人々は誰も話を信じません。

そんなのは妄言だと非難された張は仕方なく、4匹の竜うちの2匹に目を書き入れました。

すると黒雲が広がり空が荒れ、その2匹の竜は壁を破って抜け出して天空に昇っていきました。

やがて雲が消え空が晴れ渡ると目玉のない竜が残っているのみで、目の入った竜はどこにもいませんでした。

へぇ!面白いね!故事成語ってとっつきにくいイメージだったけど、漫画になりそうな話だね!

いろんな故事成語のストーリーを漫画にしてまとめたら面白そうなん!

もうたくさん出版されてますよ?

知らんかった…。

画竜点睛の対義語

「画竜点睛」の対義語は「蛇足」です。

付け加える必要のないもの。無用の長物。

画竜点睛」は「なくてはならない大切なもの」ですので、対義語は「なくても良いもの」である「蛇足」が当てはまります。

付け加える必要のないものをなんで蛇足っていうんだろうね?

「蛇足」も故事らしいですよ。また今度詳しく見てみましょう。

使い方

では実際に使ってみましょう。

あぁ~!!やっちまったん!!

どうしたんですか?

注文受けてた「たい焼きケーキ」のチョコプレートに「HAPPY BIRTHDAY」って書いたつもりが、綴り間違えてた気がするん。画竜点睛を欠いていると言わざるを得ないん…。

なんだ、書き直したらいいじゃないですか。

もう遅いんよ…。

ただいま戻りましたー!
「たい焼きケーキ」届けてきました~!

「画竜点睛」は単独よりも、「画竜点睛を欠く」という言い回しで使われることの方が多いです。

「画竜点睛を欠く」の意味は、「肝心な仕上げができていない」「詰めが甘い」という意味で使われます。

まとめ

「画竜点睛」とは

「物事を完成するために、最後に加える大切な仕上げ」という意味の故事成語である。

「画竜点睛」は「画竜点睛を欠く」という言い回しで使われることが多く、「肝心な仕上げができていない」「詰めが甘い」という意味で使われる。

ん?いや、「HAPPY BIRTHDAY」の綴り、多分合ってるんよ!

本当ですか!?はぁ~、良かった。

あ、そういえばケーキ届ける前にこけちゃってさぁ、
大変だったよ~!

えっ?ケーキ届ける前にこけた…?