他山の石
2020年11月30日

他山の石とは?

By 座敷あらし

「他山の石」の意味

「他山の石」とはどういう意味かご存知でしょうか?

読み:「たざんのいし」

見たままで、ほかの山にある石ってことでしょ?

それならこんな風に意味を聞かれないですよ。

そんなことより、文字を見ないで聞いたら「サザンの意志」って聞こえない?

最近の使われ方

最近は「自分が手本にしたい目上の人の良い行い」という意味で使う人がいますが、それは本来の使い方とは違っています。

本来の意味

「他山の石」とは

よその山から出た、つまらない石。転じて、自分のためになる他人の誤った言行。

という意味の慣用句で、「他人の誤った言行やつまらない出来事でも、それを参考にしてよく用いれば、自分の修養の助けとなる」ことを表しています。

「他山の石」の「石」は「粗悪な石」のことだそうです。
粗悪な石でも、自分の宝石を磨く役には立つという意味らしいですよ。

なんでよその山から出た石は全部「粗悪な石」なんだろうね?
良い石が全くないなんて可哀相な山だね。

「良い石」は採取し尽くしたんじゃない?知らんけど。

由来

「他山の石」は、四書五経のひとつ『詩経』の記述に基づく故事に由来しています。

【四書五経】(ししょごきょう)
儒教の経書の中で特に重要とされる四書と五経の総称。
四書は『論語』『大学』『中庸』『孟子』、五経は『易経』『書経』『詩経』『礼記』『春秋』。

【詩経】(しきょう)
中国最古の詩篇である。古くは単に「詩」と呼ばれ、また周代に作られたため「周詩」とも呼ばれる。儒教の基本経典・五経あるいは十三経の一。漢詩の祖型。古くから経典化されたが、内容・形式ともに文学作品(韻文)と見なしうる。もともと舞踊や楽曲を伴う歌謡であったと言われる。

詩経の中の『小雅(しょうが)・鶴鳴(かくめい)』には

『他山の石以て玉を攻むべし(たざんのいしをもってたまをおさむべし)』

という言葉があります。 この言葉の意味は

「よその山から出た質の悪い石でも、自分の宝石を磨くのに役立てることができる」

ということを表しています。

故事成語での「玉」とは、宝石など立派なものを表して、「石」は、その辺に落ちて転がっているつまらないものを表すようですよ。

玉と石を使った四字熟語があったよね、なんだったっけ?あの混じり合ってるやつ…!

そこまで出てるのに何で言葉が出てこないのか謎…。

言葉の定着率

文化庁が発表した「国語に関する世論調査」では、「他山の石」の意味を尋ねたところ、

本来の意味の「①他人の誤った言行も自分の行いの参考となる」を選んだ人が平成16年度で26.8パーセント、平成25年度で30.8パーセント。

本来の意味ではない「②他人の良い言行は自分の行いの手本となる」を選んだ人が平成16年度で18.1パーセント、平成25年度で22.6パーセント。

また、「分からない」と答えた人は平成16年度で27.2パーセント、平成25年度で35.9パーセントという結果がでています。

前回の16年度より、①の本来の意味を理解している人が増えましたが、それと同時に、②の本来の意味ではないものを選ぶ人、分からないと答える人も増えてしまいました。

「自分が手本にしたい目上の人の良い行い」という間違った意味で使っている人もいますが、そもそも日常生活であまり使わない、馴染みのない言葉として扱われ、言葉の意味が分からない人が一番多いという結果になりました。

なんで25年度はすべての項目のパーセンテージが増えたの?どこか減らないとおかしくない?

減ったのは「①②のどちらの意味でも使わない、①②とは全く別の意味」という項目を選んだ人が22.4パーセントから6.2パーセントまで下がったそうですよ。

引っかけ問題じゃないんだし、おとなしく①か②選んだらいいのにね。運が良かったら当たってたのに。

他山の石の類義語

「他山の石」の類義語は、

「反面教師」

悪い面の見本で、それを見るとそうなってはいけないと教えられる人や事例のこと。

「人の振り見て我が振り直せ」

他人の行動を見て、良いところは見習い悪いところは改めよということ。

などがあります。

使い方

では実際に使ってみましょう。

私が考えた期間限定味のたい焼きは不評だったのぅ…。

社長の失敗を他山の石として、新味の研究を頑張ります!

使い方は間違ってないですが、良い意味の言葉ではないので社長本人の前で言ったらだめですよ!

本人に聞かれると怒られるかもしれないので、本人がいないところで言いましょう。

まとめ

「他山の石」の本来の意味は

「他人の誤った言行やつまらない出来事でもそれを参考にしてよく用いれば、自分の修養の助けとなる」である。

しかし、言葉の意味が分からない人が一番多く、「自分が手本にしたい目上の人の良い行い」という間違った意味で使われることもある。

あまり良い意味の言葉ではないので、本人の目の前で言わないように注意が必要である。

そういえば玉と石を使った四字熟語は思い出したん?

玉と石…?なんか話してたっけ?

…病院行きますか?