敷居が高い
2020年11月20日

敷居が高いとは?

By 座敷あらし

「敷居が高い」の意味

「敷居が高い」とはどういう意味かご存知でしょうか?

読み:しきいがたかい

控えおろう!みたいな?

頭が高いのこと?

それだー!

違います。まったくもって違います!

最近の使われ方

最近は「高級すぎてお店に入れない」、「自分にとって高級すぎる、上品すぎる」というような意味合いでよく使われていますね。

「あの三ツ星レストランは敷居が高すぎて入れない。」

「彼女の家は大豪邸だから遊びに行くのは敷居が高すぎる。」

というように使われています。

以前は間違いだと言われていましたが、最近はどうやらそうでもなくなってきました。

そうでもなくなった?まどろっこしい書き方ですね。

意味が変わってきたんかねぇ?

本来の意味

本来「敷居が高い」とは

不義理や面目のないことがあって、その人の家へ行きにくい。

という意味で使われていました。

そもそも「敷居」とは

 門の内と外との仕切りとして敷く横木。また、部屋の境に敷く、引き戸・障子・ふすまなどを開けたてするための溝やレールのついた横木。

をあらわす言葉です。

今回の「敷居が高い」の「敷居」は、門の下に敷いてある木のことで、その家の敷地の内と外の境を表しています。

「敷居が高い」とは、「敷居がまたぎにくいほど高い」ということです。

ですがまたぎにくいほど高く造るはずもないので、ここでの「高さ」は心理的に高く感じているということです。

つまり、迷惑をかけて気まずいなど、何か事情があってその家に入りにくいという気持ちを表しています。

横木?そんなもの家の玄関にないよ?

最近は洋風の家が多いですからね。昔からあるような和風建築の家にはあると思いますよ。

うむ、いろんな家に勝手に住んでたけど、どこの家にもあったよ。

(ん?勝手にいろいろな家に…!?)

誤用の定着率

平成20年度の「国語に関する世論調査」で、「あそこは敷居が高い。」という例文を挙げ「敷居が高い」の意味を尋ねたところ、

本来の意味の「相手に不義理などをしてしまい、行きにくい」で使う人は42.1パーセント、

本来の意味ではない「高級過ぎたり、上品過ぎたりして、入りにくい」で使う人は45.6パーセントという結果が出ています。

誤用から正式な用法へ

これまで誤用だとされてきた、「高級で入りにくい」という意味が、2018年1月発売の広辞苑第7版に追加されました。

広辞苑第7版の「敷居が高い」

不義理または面目ないことなどがあって、その人の家に行きにくい 。また、高級だったり格が高かったり思えて、その家・店に入りにくい。敷居がまたげない。

とあります。

「俗に」などの注釈も入っていないことから、この使い方を俗用としてではなく、正式な用法として認めたと考えてもよいのではないでしょうか。

ということは、「高級すぎて入れない」って意味のときに「敷居が高い」って使っても間違いじゃないんだね!

そうですね。それに、識者の間では誤用ではないとずっと主張されてきた方もいましたからね、よかったです。

うむ!めでたい!

まとめ

「敷居が高い」の本来の意味は

「不義理や面目のないことがあって、その人の家へ行きにくい。」である。

しかし、「高級すぎて入れない」という意味で使われることが多かった。

これまで誤用だとされてきた、「高級だったり格が高かったり思えて、その家・店に入りにくい。敷居がまたげない。」という意味が、2018年の広辞苑第7版に追加されたことにより、正しい使い方だと認められた。

これからは誤用かもとか気にせずに「敷居が高い」って使えるから紛らわしくなくていいね!

とはいえ、広辞苑に載っていることを知らずに、誤用だと思われることは充分ありえますから、注意は必要ですね。

うむ、心の中で「使い方間違えてるぷぷー」とか思われてたら腹立つしな。