役不足とは?
「役不足」の意味
「役不足」とはどういう意味かご存知でしょうか?
読み:やくぶそく
字のままでしょ~。役が足りないんだよ。
んー、役が足りないとはどういうことでしょう?
劇だったら、演じる人はたくさんいるのに配役が少ないことだよ!
…早くスクロールして次に行くんな。
最近の使われ方
最近は「役目が重すぎること」「力不足」の意味で使われることがよくありますね。
「彼女には役不足なので、新しいプロジェクトメンバーから外した。」
という一文を読んでどのような意味だと思いますか?
「彼女には役目が重すぎるから新しいプロジェクトメンバーから外した。」
…という意味ではありません。
役不足って役目が重すぎるって意味で使われてるの!?
間違った使い方の例ですけどね。
配役が少ないってことでも力不足って意味でもないんな。
本来の意味
本来「役不足」とは
俳優などが割り当てられた役に不満を抱くこと。
力量に比べて、役目が不相応に軽いこと。また、そのさま。
という意味で使われていました。
もともとは俳優などが自分の実力よりも軽い役目を与えられた時に「その役が自分にとって不足である」という不満を表す語となっています。
先程の例文
「彼女には役不足なので、新しいプロジェクトメンバーから外した。」
の本来の意味は、
「彼女の能力を認めているので、彼女を当てるほどの重要な役職ではないという判断をして新しいプロジェクトメンバーから外した。」
という意味で、「役不足」の意味を知っているかいないかで、文章の受け取り方も変わってしまいます。
間違った受け取り方すると無駄なケンカになっちゃうかもしれないし、ちゃんと理解してないとだめだね~。
受け取り方はもちろんですけど、話した側が「役不足」の意味をちゃんと理解して言ったのか分かりませんけどね。
誰の言葉も信じられないんよ…。
誤用の定着率
平成18年度の「国語に関する世論調査」で、「彼には役不足の仕事だ。」という例文を挙げ「役不足」の意味を尋ねたところ、
本来の意味の「本人の力量に対して役目が軽すぎること」で使う人は40.3パーセント、
本来の意味ではない「本人の力量に対して役目が重すぎること」で使う人は50.3パーセントという結果が出ています。
14年度にも同じ調査を行っていますが、間違って使っている人が62.8パーセントで、誤用率が下がってきていることがうかがえます。
なぜ誤用されることが多いのか
なぜ「役不足」は誤用されることが多いのでしょうか?
それは、荷が重すぎる、大役すぎるときに使う「力不足」「力量不足」といった言葉と混同していることなどが考えられるでしょう。
力不足とは
その役目を果たすには能力・実力が足りないこと。
という意味です。
意味は真逆ですが、「役」と「力」、どちらがどんな意味か正しく理解して覚えていないと、自分でも気付かないうちに間違った使い方をしていることが多いのだと思います。
類義語・反対語
「役不足」の類義語は、朝飯前、楽勝、簡単すぎる、物足りない、不服、などがあります。
反対語は力不足、荷が重い、難しい、分不相応、などがあります。
「役不足」を使うと紛らわしいこともあると思いますので、そのときは、類義路のような他の言葉を使う方が不要な争いを避けられるかもしれません。
状況を見て判断して使っていきましょう。
まとめ
「役不足」の本来の意味は
「俳優などが割り当てられた役に不満を抱くこと。力量に比べて、役目が不相応に軽いこと。また、そのさま。」である。
しかし最近は「役目が重すぎること」「力不足」といった真逆の意味で使われていることが多い。
自分も相手も言葉の意味を理解していないと不要な争いになるかもしれないので、状況を見て「役不足」を使うかどうか判断するべし。
この人には話しても理解してくれないかなって思ったら「役不足」を使わずに類義語を!
あーたむにはこれからも「役不足」を使いません。
相手が意味を知ってるかどうか考えるの面倒だから最初から類義語使うことにするんよ。