確信犯とは?
「確信犯」の意味
『確信犯』とはどういう意味かご存知でしょうか?
読み:かくしんはん
「口元にあんこが付いている…座敷あらしが確信犯だ!」
って感じで使うやつでしょ?
その間違い方は新しいですね…ふむふむ。
最近の使われ方
最近では「悪いと分かっていながらもわざと行動を起こすこと、またその行為をする人」という意味で使われていることが多いです。
「道端に倒れていたタヌキを病院に連れて行ったから遅れたって言ってたけど、1時間目テストだったからあれは確信犯だよね~。」
「パソコンに珈琲こぼれて壊れちゃったので新しいのに変えてくださいって…それ確信犯だろ!」
という使い方をよく聞くと思いますが、それは本来の使い方とは違っています。
あれ?私の間違い方、間違えてた!?
そうですね、間違い方を間違えられるなんて、流石あーたむ。
それより倒れてたタヌキは大丈夫なん…?
本来の意味
本来『確信犯』とは
自分の政治的、思想的、あるいは宗教的な信念や道徳に基づいて、正しいと信じてなされる犯罪や、その行為を行う人のこと。
という意味で使われていました。
「歩行者が車に轢かれる事故が多い道路に無断で横断歩道を描いた」
「とても苦しんでいたので違法と分かっていたけど薬で安楽死させた」
のような一般的にはNG行為とわかっているけれど自分の中の正義に従って行う行為の事を言います。
罪になるとは分かっているけれど、自分にとってはこれが正しいと思って行動するってことですね。
じゃあうちは確信犯なんな。
盗み食いはよくないって分かってるけど、これ以上あーたむが太らないようにあーたむのたい焼き食べたん。そしてこれからも盗んで食べるんよ。もぐもぐ。
私のおやつが…しょぼーん。
誤用の定着率
平成14年度と平成27年度の「国語に関する世論調査」で、「そんなことをするなんて確信犯だ。」という例文を挙げて、「確信犯」の意味を尋ねました。
本来の意味の「政治的・宗教的等の信念に基づいて正しいと信じてなされる行為・犯罪又はその行為を行う人」で使う人は、平成14年度では16.4パーセント、平成27年度ではほとんど変わらす17パーセントでした。
本来の意味ではない「悪いことであるとわかっていながらなされる行為・犯罪
又はその行為を行う人」で使う人は平成14年度では57.6パーセント、平成27年度では69.4パーセントと大幅に増えていました。
間違った意味って分かってるけど世の中多数決が正義だから間違った意味で「確信犯」使うのは確信犯?
それはただの事なかれ主義ですね
ややこしい…
なぜ誤用されることが多いのか
確信+犯という字の見た目から広まったのかもしれません。
確信とは
固く信じて疑わないこと。また、固い信念。
という意味です。
それに犯罪など良くない意味でよく使われる「犯」が付くことで、「自分が正しいと信じていること」という意味が抜け落ち、「悪いと分かっていながら犯罪行為をする」と捉える人が増えたのかもしれません。
また、「悪いと分かっていながら犯罪行為をする」という部分だけを捉えて、「犯罪」ではないようなことにまで当てはめる使い方が広がってきています。
「信念」というほどではない、何らかの「意図」を達成するために行われる犯罪や、「犯罪」にならないような、ちょっとした「悪さ」を指す意味でも気軽に使われるようになってきました。
その間違った気軽さでどんどん使われ始め、間違った使用例を見聞きした人がそれに倣って間違った使用をすることで誤用が広まったのかもしれません。
まとめ
「確信犯」の本当の意味は
自分の政治的、思想的、あるいは宗教的な信念や道徳に基づいて、正しいと信じてなされる犯罪や、その行為を行う人のこと。
しかし最近は「自分が正しいと信じていること」という意味が抜け落ち、「悪いと分かっていながらも行動を起こすこと、またその行為をする人」という意味で使われていることが多い。
そういえばあざとい子も確信犯って言われるよね~。
つっこむ気も起きないくらい間違った使い方する人が多いですからね。
この世の中、自分を信じたり、信念を持っている人の方が少なそうなんな。