破天荒
2020年10月19日

破天荒とは?

By 座敷あらし

「破天荒」の意味

『破天荒』とはどういう意味かご存知でしょうか?

読み:『はてんこう』

知ってるー!沖縄のお菓子でしょ?

違うのでどうぞ続けてください…

最近の使われ方

最近は「豪快」とか「型破り」という意味で「破天荒な性格」「破天荒な人」と使われていますね。ですがこれは本来の意味とは違っています。

えっ?そんな言葉使ってる人見たことないよ?

じゃあ最近は「あの人は豪快な人だ」ってどう言うん?

あいつヤバい!

そうなんな!覚えた

本来の意味

本来『破天荒』とは

前人のなしえなかったことを初めてすること。
また、そのさま。

という意味で使われていました。

なぜ誤用される事が多いのか?(推測)

破天荒という言葉は、由来を知らない人が漢字の雰囲気で意味を推測した時に誤用になりやすいと言われています。

「彼は破天荒だ」と聞いた時、「破る・荒れる」という漢字の雰囲気で「彼は豪快・型破りな性格だ」と解釈してしまいやすいのでしょう。

「豪快・型破り」な性格の人が誰も成し遂げなかった偉業を遂げる事もよくある事なのでその場で間違いだと気づかない事も多そうです。

ググれカス

いちいちそんなん調べないよ…

由来

「破天荒」は中国・宋の時代『北夢瑣言』にある故事に由来しています。

【北夢瑣言】(ほくむさげん / ほくぼうさげん)
中国、宋(そう)の孫光憲(そんこうけん)の著書。
唐末・五代の世に知られない逸話を集めた書。
20巻。光憲は夢沢(ぼうたく)の北に住んでいたので、北夢と称した。

「天荒」とは、まだ開かれていない土地のこと。

唐の時代の荊州(けいしゅう)という場所からは官吏資格試験に合格する者が百年以上も現れないために「天荒」と呼ばれていました。

しかし、ある年、荊州出身の劉蛻(りゅうぜい)という人物が初めて試験に合格し、ついに「天荒を破った」つまり「破天荒だ」と言われたことにあります。

官吏??

国の役人です。
隋から清の時代までは「科挙」という科目による試験によって登用されました。中学校で習いましたよ?

中学生がそんなムダ知識聞かされて覚えてる訳ないじゃん…

誤用の定着率

文化庁が発表した平成20年度「国語に関する世論調査」では、「彼の人生は破天荒だった」という例文を挙げて意味を尋ねたところ、

本来の意味とされる「だれも成し得なかったことをすること」で使う人が16.9パーセント、

本来の意味ではない「豪快で大胆な様子」で使う人が64.2パーセント

という逆転した結果が出ています。

言葉は生き物です。時代とともに言葉の意味も変化していきます。

どちらが正しい、どちらが間違っていると決めつけずに柔軟に考えていくべきなのかもしれません。

類義語

「前代未聞」「未曾有」

まとめ

破天荒(はてんこう)の本来の意味は

「前人のなしえなかったことを初めてすること。また、そのさま。」

しかし、最近は「豪快」「型破り」といった間違った使い方をされる事が多い。

唐の時代の中国で科挙に一人も合格者が出ない地域が天荒と呼ばれ、初の合格者が破天荒と言われたことによる故事成語。

へぇ~知らなかった!

調査で6割以上の人が間違えていますからね、まぁ知らなくて当然です。

うぅ…これ、なぐさめてくれてるんだよね…?

たい焼きあげる。元気出して。

もぐもぐ…
意味は分かったけど「破天荒」なんて言葉やっぱり使わないなぁ

じゃあ正しい意味で「彼は破天荒だ」って何て言うん?

あいつヤバい!

そうなんな!覚えました!