割愛する
2020年10月19日

割愛するとは?

By 座敷あらし

「割愛する」の意味

『割愛する』とはどういう意味かご存知でしょうか?

読み:『かつあいする』

愛を割ると書いてハートブレイクと読む!

「かつあいする」と読みます。

よく司会の人とかが使ってる言葉なんな。

そうですね、「以下略」のように無駄なことを省略する時によく使っていますね。

最近の使われ方

最近は「重要ではない部分を省略する」という意味合いで使われていることがよくありますね。

会議やプレゼンなどで「資料のこの部分の説明はあまり重要ではないので割愛します。」

学校の全校集会で「校長の挨拶は時間が無駄なため、割愛させていただきます。」

という使い方をよく耳にすると思いますが、これらは本来の使い方とは違っています。

珍しい!みーたむが間違えてる!

ハートブレイクな人よりマシです!

本来の意味

本来『割愛する』とは

惜しいと思うものを、思いきって捨てたり、手放したりすること。愛着の気持ちを断ち切ること。

という意味合いで使われていました。

由来

もとは仏教用語でした。

出家は愛着の気持ちを断ち切り、愛する家族や故郷から旅立つことです。

愛するものから引き裂かれる思いの「愛を割く」から「割愛」になったとされています。

また、養蚕用語から来ているという説もあります。

蚕の交配を人為的に中断させることを「割愛」ということから、これが由来だとも言われています。

交尾中にかなり固く結びついており、卵の産卵のために無理矢理引き離すのですが、「愛を割る」ことから「割愛」と呼んだそうです。

蚕のハートブレイクが由来ってこと?合ってたー!

…解せぬ。

誤用の定着率

平成23年度の「国語に関する世論調査」で、「説明は割愛した。」という例文を挙げ「割愛する」の意味を尋ねたところ、

本来の意味の「惜しいと思うものを手放す」で使う人は17.6%、

本来の意味ではない「不必要なものを切り捨てる」で使う人は6割台半ばという結果が出ています。

なぜ誤用されることが多いのか

「惜しいと思うものを」という部分が意識されなくなってきていることにあります。

まず、『省略する』という意味の確認です。

簡単にするため、文章や手続きの一部を省くこと。

ではこの二つの文章をご覧ください。

①「資料のこの部分の説明は割愛します」
②「資料のこの部分の説明は省略します」

パッと見るとほとんど変わらないように感じるかもしれませんが、「惜しむ」気持ちがあるかどうかという決定的な違いがあります。

①は「本当は説明したいが何らかの事情により出来ないので省きます」という意味で、
②は「説明する必要がないので省きます」という意味になります。

ですが、これは文章の中に惜しむ気持ちが表れていないので、割愛という言葉の本当の意味を知らなければ分からないことです。

ただニュアンスが同じなので、省略と同じだろうと受け取り使ってきた人が多いと言うことでしょう。

まとめ

「割愛する」の本来の意味は

「惜しいと思うものを、思いきって捨てたり、手放したりすること。愛着の気持ちを断ち切ること。」

しかし、最近は「惜しいと思うものを」という部分が意識されなくなってきて、「省略する」と同じ意味合いで使われていることが多い。

文章の中に惜しむ気持ちが無いと、本来の割愛という意味を知らなければ分からずに、「省略する」と混合してしまうのだろう。

言葉の本当の意味を知らないと、相手の本当に思っている事も分からないのかもしれませんね。

深いなぁ~。

相手が言葉の本当の意味を知っているか分からないから、思ったことや言いたいことは全部言わないといけませんね。

深いなぁ~。